ノミ・マダニ対策

ノミやマダニの寄生は通常、春から夏にかけて最も多く見られますが、室内では一年を通して暖かいため、冬でも犬や猫の体に寄生します。

ノミやマダニが寄生していると、犬や猫自身が不快な思いをするだけでなく、さまざまな病気が引き起こされます。また、一緒に生活しているヒトにもノミやマダニの被害は及びます。

ノミ

犬や猫はノミがつくと、痒みのために引っ掻いたり、かんだりして皮膚炎を起こしたり、ノミの唾液によるアレルギー性皮膚炎を起こしたりします。またノミは、条虫という消化管内の寄生虫を媒介します。ノミは一匹いると1日に20~30コの卵を産みます。そしてその卵は犬・猫のよくいる環境(特に寝床)にたくさん落ちています。卵は幼虫・蛹を経て成虫となり、再び犬・猫に寄生します。

現在、卵や蛹に殺虫効果のある薬はありません。現在のノミ対策としては、卵を生む前にノミの成虫を殺してしまう即効性のある薬を使うこと。卵を幼虫にさせない薬(成長阻害剤)を使うこと。この二つを併用することが最も効果的な方法です。ノミの生態について詳しくわかってきたのは最近のことであり、薬もどんどん進歩しています。

マダニ

マダニは散歩など外から拾ってくることが多く、皮膚に付いているのは容易に認めることが出来ます。マダニも皮膚炎の原因になります。

またマダニは、バベシア症の原因である赤血球内に寄生する虫を媒介します。この病気は山口県地方に特に多く見られる地方病で、重度の貧血を引き起こして、命に関わる恐ろしいものです。一度感染すると治療が困難で,状態が改善しても、再発を繰り返すなかなか厄介な病気です。

マダニは、他にも人畜共通感染症(動物由来感染症)の原因となる病原体を媒介します。その中の1つであるSFTS(重症熱性血小板減少症候群)ウィルスは、人が感染・発症すると致死率は20%以上です。このSFTSを発症した猫に人が噛まれて発症し、死亡する事例も報告されています。このような人畜共通感染症を防ぐためにも、飼い犬・飼い猫のマダニを駆除してあげることが重要となります。

現在、ノミ・マダニの両方に効く薬がありますので、必ず、かかりつけの動物病院でご購入ください。