フィラリア予防

犬フィラリア症

蚊によって媒介された犬糸状虫(犬フィラリア)の幼虫は、愛犬の体内で成長し、20~30cmのソーメン状の成虫となって心臓に寄生します。感染が成立すると、心臓・肺・肝臓・腎臓など全身の機能不全を起こします。

蚊は一般的に気温が15度を越えると吸血活動を開始します。この蚊の吸血活動によって犬の皮下・筋肉内に、犬糸状虫の幼虫が注入され、その幼虫が2~3ヶ月かけて皮下・筋肉内を移動し、血管・心臓内へ到達してしまうのです。

フィラリア予防薬は、この筋肉移動中の幼虫を毎月駆虫することにより、心臓内への寄生を予防します。よって、蚊が見られなくなった翌月(下関市では12月)まで予防薬を飲ませる必要があります。途中で止めてしまったら、それまで予防薬を飲ませていた意味がなくなります。なぜなら、冬の間に犬糸状虫が心臓に到達し、寄生してしまうからです。

心臓に寄生した犬糸状虫を駆虫することは不可能ではありませんが、愛犬の命を奪う危険性が非常に高くなります。この恐ろしい病気から愛犬を守ってあげるために、フィラリア予防をしっかり行ってください。

猫フィラリア症

猫フィラリア症とは、猫に犬糸状虫が感染することによって引き起こされ、主な症状は呼吸器障害であり、突然死することもある怖い疾患です。猫の体内で犬糸状虫が成虫にまで成長できるのは少ないので、成虫寄生率は犬の5~20%ほどですが、60~90%の猫が犬糸状虫に暴露されているといわれています。

猫フィラリア症は確実な検査法が無く、特異的な症状も無いため確定診断が難しい病気です。また、治療も根治療法が無く、対症療法的に症状の緩和を目的とするため、長期(生涯)の投薬が必要となります。したがって、猫に犬糸状虫を感染させないこと、つまり予防が重要です。猫フィラリア症と診断された猫のうち、約25%が室内飼いというデータもあるので、室内飼い・室外飼いのどちらの場合でも予防が必要です。猫フィラリア症は犬と同じ5~12月の期間、毎月1回の投薬で予防できます。